介護予防の方向性

介護予防の方向性が定まりつつあります。
これまでの介護予防のありかたにはいくつかの問題点がありました。
たとえば介護予防の効果についてです。
残念ながら、これまでの介護予防サービスには、介護予防効果が十分に検証されていないものもありました。しかしこれまで数年間の経験を経て、さまざまな介護予防効果が検証されつつあります。

介護予防サービスを十分に利用できていたか?
もう一点は、介護予防を最も必要とする人たちが十分にサービスを利用できていなかったという点です。たとえば運動訓練会場などへ通う手段が十分でなかったことです。

また介護予防がもっとも必要な人たちは、うつ状態や閉じこもりなどのために介護予防サービスの存在を知っていても、それに参加しようとはしない。という問題を解決しなければなりません。

介護予防の難しさにはこんな側面もあります。
それは「介護予防訓練のための訓練」になってしまうという点です。
介護予防の目的の真髄は「個人の生活の質」の向上です。
そのために歩行訓練など運動機能の訓練を行うわけですが、この場合、歩けるようになることが一番の目標になってしまってはいけないわけです。

たとえば歩行能力が改善されて、地域の活動に参加しやすくなった。
地域の活動に参加しているうちに、やりたいことが出てきた。
介護予防は、こういったことを目指さなければならないのです。

介護予防として、この場合で「自分で歩けるようになる」というのは、とてもすばらしい効果です。
しかし、歩けるようになることのみを目指した訓練ではならない。
もう一歩先を見つめた活動をしなければいけないのですね。

介護予防は奥が深い活動です。


介護予防の重要性

介護保険法の第四条、「国民の努力及び義務」によると、こう記されています。
「国民は、自ら要介護状態となることを予防するため、加齢に伴って生ずる心身の変化を自覚して常に健康の保持増進に努めるとともに、要介護状態となった場合においても、進んでリハビリテーションその他の適切な保健医療サービス及び福祉サービスを利用することにより、その有する能力の維持向上に努めるものとする。」

これが介護保健法に記されている規定です。
健康な人はいつまでも健康を維持し、健康を害し介護が必要になってしまった場合も、リハビリなどの訓練によって能力の向上を目指そうというものです。もっと突っ込んだ話をすると、単に運動機能などの改善のみを目指しているわけではなく、それら心や体の機能の改善を通じて、地域社会への参加を促し、しいては生きがいの発見や自己実現の応援など、個人の生活の質全体の向上を目指すものです。

昨今、介護予防の重要性が注目されるようになったのには理由があります。
日本は世界有数の長寿国として有名です。とくに女性の平均寿命は20年連続で世界一、2002年の世界保健機関(WHO)発表の平均健康寿命においても日本は第一位でした。(WHO加盟192カ国中)

一方で長寿国日本は、「寝たきり世界一」とも呼ばれていることをご存知でしょうか。
医療技術の進歩などによって平均寿命が延びる一方で、病気などで健康が損われる不健康期間は伸び、健康寿命自体は短くなる傾向を見せています。
つまり世界トップレベルの長寿国でありながら、寝たきり者も多いという矛盾を抱えているのです。

もう一点は、要介護認定者の増加の問題です。
介護保険制度の開始から5年余りで、要支援レベルおよび要介護1レベルの要介護認定者は2倍以上にも増加しました。またこれら軽度者の重度化傾向も指摘されています。

介護予防は終わりのない目標だとも言われます。
国民一人ひとりがセルフケアとして介護予防に取り組み、またその活動を支援できるような地域の基盤作りも必要です。

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